こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
運動中、日常生活中の急性外傷で1番多いと言ってもいいのが、足首の捻挫(ねんざ)です。同じ外くるぶしの捻挫なのになんで痛みの程度や治るまでの期間に差が出るのでしょうか?
患者様説明補足用ですが捻挫でお困りの方は参考にしてみてください。
簡単にまとめたかったのですが、少し長くなってしまい2回に分けました。今回は足首の仕組みについてがメインです。
目次
足首の捻挫(ねんざ)
関節をひねって周囲の軟部組織(筋、腱、靭帯、関節包など)の損傷したものを捻挫と呼びます。同じように足首を捻って痛めても、細かく見るとダメージを受ける部位はさまざまで、部位ごとに特徴があります。
「病院行った方がいいかな?」レベルで外くるぶしが痛い場合。
・段差で足首を捻って体重がかかるなど、大きな外力が加わると関節は通常の可動域を超えて、引きのばされた靭帯(じんたい)に傷が入ってしまいます。外くるぶし周辺の痛みや腫れ、内出血などが起こります。
・細かく見ると痛めている場所はだいたい上図の※3か所のどれかです(足首の捻挫のおよそ8割位)。他にも痛める靭帯がたくさんあるのですが今回はこの3つに限定して説明します。
・捻挫の重症度は切り傷などと同じで、2~3時間で治まるものから手術に至るものまでさまざまです。
・靭帯はかなり強度があるため、付着する骨を引っ張って剥離骨折を起こすことがあります。
靭帯(じんたい)の役割について。
・骨どうしがバラバラにならないように靭帯が骨どうしをつなぎとめています。
・それ以外の役割として、関節の動きを制限し、筋肉や腱、骨に負担がかかりすぎないようにしています。
靭帯の土台となる足首の骨について。
腓骨(ひこつ)
外くるぶしの骨。膝に向かって細長く伸びています。体重を支える役割は低いです。
脛骨(けいこつ)
内くるぶしの骨。膝に向かって伸び大腿骨と連結して膝関節を作っています。腓骨にくらべ体重を支える役割が大きいです。
距骨(きょこつ)
下腿(すね)と足の連結部分にある骨。荷重を受けながら足関節を動かす大事な役割をします。
立方骨(りっぽうこつ)
足の甲の外側にある石ころのような形の骨です。足裏の縦アーチを形作っています。
踵骨(しょうこつ)
かかとの骨。立方骨とは二分靭帯(にぶじんたい)および踵立方靭帯(しょうりっぽうじんたい)でつながっています。
捻挫で痛めやすい靭帯
①前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
・・距骨(きょこつ)と腓骨(ひこつ)を前方でつなぐ靭帯です。足の靭帯の中でも一番伸び縮みを繰り返しています。
②前脛腓靭帯(ぜんけいひじんたい)
・・脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)を前方でつなぐ靭帯です。両くるぶしの隙間が開かないようにしている大事な靭帯です。
③二分靭帯(にぶじんたい)
・・距骨から二股にわかれてそれぞれ立方骨(りっぽうこつ)とその隣の舟状骨(しゅうじょうこつ)に止まります。
④その他の靭帯
踵腓(しょうひ)靭帯、後距腓(こうきょひ)靭帯、距踵(きょしょう)靭帯、後脛腓(こうけいひ)靭帯、距舟(きょしゅう)靭帯・・・その他たくさんの靭帯で関節を支えています。特殊な捻り方をしなければそれほど痛める事はありません。