こんにちは。鉄道博物館駅から徒歩5分。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
肩関節の痛みは、よほど痛くない限りは、なんとか生活出来てしまうため我慢してしまいがち。この記事を読んでいただいている方の中には、ハッキリしたキッカケもないが腕が挙がらない・後ろに回せないといった、いわゆる五十肩でお悩みの方がいるのではないでしょうか。
「四十肩、五十肩とは?」について書いてみました。
目次
まず、四十肩・五十肩は正式な病名ではありません。
この病名の由来はその名の通り40代、50代に多い肩の痛みを伴う運動制限の事を言うのですが、今は活動的な60代、70代の方にも多いのが実際です。
以前の「冷湿布・温湿布」のタイトルを焼き直しましたが、今回のケースもどっちでもいいし、何十肩でもOKです。
Wikipediaで見ても正式な病名としては「肩関節周囲炎」という事になっていますが、これもお医者様の間では「ゴミ箱病名」と揶揄されています。
だって「肩関節の周囲の炎症」を縮めて言ってるだけですから。
「じゃあ、何なのか?」
同じ肩関節周囲炎でも、細かく見ていくとキッカケとなる炎症部位は人それぞれです。
しかし最初に痛む部位がそれぞれ違っても、結局は炎症や固さが関節全体に波及し、みなさん同じように動かなくなってしまいます。
肩関節が厄介なのは
- 球関節(ボールジョイント)という独自の形状に加え、肩甲骨も連動して動くという複雑な仕組であること。
- そして同じ球関節でも股関節と違って、関節の受け皿が小さく不安定な事が挙げられます。
これをグリグリ外から動かすのは簡単ですが、もしこれが自分で動くには相当複雑な仕組が必要です。
実際は上腕骨、肩甲骨、鎖骨からなる関節を沢山の筋肉が動かしています。ざっと数えて10種類以上。
肘の関節は「曲げる筋肉:上腕二頭筋」「伸ばす筋肉:上腕三頭筋」の主に2種類なので、どれだけ多い筋肉が関係しているかわかります。
肩関節周囲にある10種類以上の筋肉いずれかが古い輪ゴムのように柔軟性がなくなり傷ついたところから炎症がはじまります。
それだけとは限りません。他にも
- この複雑に重なり狭い所を行き来する筋肉をスムースに動かすため、滑液包というクッションがあるのですがこれが炎症を起こすこともあります。(肩峰下滑液包炎)
- 更にそれだけとは限りません。筋肉に突如どろどろのカルシウムが染み出して腫れあがる程の炎症を起こすこともあります。(石灰沈着性炎)
- その他靭帯や関節包°や上腕骨のはまり具合など様々な組織で障害が起こります。
痛みの早い段階では・・
上記のうちのどれが原因になっているのかを突き止める事が大切です。
痛い場所の消炎鎮痛をはかりながら、その他の筋肉、関節、靭帯等の機能低下を防ぐための運動をします。
損傷のある部位を早く修復し、それ以外の場所に炎症が広がらないよう温存することが早期回復につながります。
時間が経ってしまったケースでは・・
おそらく原因となった場所以外に炎症・筋委縮がひろがり、関節全体が固くなっていると思います(拘縮といいます)。
私が補助をしても挙がらない、回らない状態です。
この場合は固くなってしまった関節・筋肉を可動域訓練というリハビリで元に戻していく作業をしていきます。
その際萎縮してしまった筋肉はデリケートな為、リハビリそのもので再び壊してしまわないように注意が必要です。
「放っておいたら治ったけど。」
こういう方も多いです。でも丁寧に診てみると大体は肩関節は動かないまま、肩甲骨や肘関節を使って代償(ごまかし運動)してる方がほとんどです。
ざっくりした基準としては
- 万歳した時に肘がまっすぐ伸びるかどうか。
- さらに万歳をして両方の力コブが耳にくっつくまで腕を挙げられるかどうか。頭を傾けて力こぶに近づけちゃダメですよ!
- 肩を広げ、肘を90度曲げて前後に捻って痛くないかどうか。
普段の生活で困らなければOKですが、おそらく特定の動作で痛みがあると思います。具体的には
- シャツを脱ぐ時、決まった方の袖から抜く。
- 背中を自分で掻けない。
- 完全に振り向かないと後ろの物が取れない。
などなど。
「結局、どうしたらいいのか?」
拘縮を100%取り除いて、完全に可動する状態を目指すと結構大変です。これが必要なのはアスリートだけだと思います。
多くの方であれば80%以上の可動域があれば、日常の動作はほぼ完全にできます。そしてそのレベルなら確実に達成できます。
困ってなければいいですが、困っているのに諦めている方は今からでも治療する事をお勧めします。必ず良くなりますから!
※また今度、細かい症状別の記事を書こうと思います。
大宮ハビリス接骨院をこれからもよろしくお願いします。