こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
年初のブログは膝の痛みです。
膝の痛みをザックリ場所で分類すると膝の内側、外側、前方、裏側に分けられます。
この中で今回は膝前方の痛みを取り上げます。
中でも膝蓋下脂肪体の炎症であるホッファ病は放置したり見逃されやすいので注意が必要です。
ジャンパー膝と間違われるケースもあります。
目次
膝前方の代表的な痛み
有名なところだと膝の伸展機構に炎症を起こしおさらの下あたりが痛くなるジャンパー膝やオスグッドなどがありますが、いずれもスポーツなど激しい負荷が主な原因とされています。
しかし激しい運動をしていないにも関わらず、おさらの下あたりに痛みがある場合、もしかしたら膝蓋下脂肪体の炎症を起こしているかもしれません。
ホッファ病(hoffas disease)と呼ばれたりしています。
膝疾患の中でもややマイナーなため見過ごされやすい傾向にありますが、放っておくとしつこい痛みが続きます。
膝蓋下脂肪体とは?
膝蓋下脂肪体は関節包前面の隙間を埋めるようにおさらの下に位置しています。
これは最大1トン以上と言われる膝蓋靭帯にかかる負荷を吸収するクッションの役割があります。
立っているときも下からおさらを支えたり、膝を伸ばす時に支点の補助となったりするようです。
ホッファ病の症状
- 膝下(おさらの下)あたりに左右に広がる腫れがあります。
- 膝蓋靭帯の両脇をつまみながら膝を伸ばすと痛みがあります(hoffa sign)
- ジャンパー膝やオスグッドの場合⇒炎症が皮下直下に位置しているため特定が容易かつピンポイントで痛みます。
- それに対して膝蓋下脂肪体炎の場合⇒おさらの下あたりが広範囲で、表面だけでなく奥の方も痛みます。
- 私が診てきた限りでは女性に多く10代~50代まで幅広い年代にみられます。
ホッファ病の原因
外力が膝蓋下脂肪体に加わることで、出血・浮腫から始まり脂肪組織の線維化や結合織・血管・神経の増殖が起こるとされています。
外力とは・・
- 運動による過負荷(歩くだけでも体重の数倍の負荷を受ける膝蓋靭帯が脂肪体を押しつぶします)
- 体重などの増加
- 女性に多い反張膝(による脂肪体のはさみ込み)
- 膝をぶつけるなどの外傷(頻繁に床に膝をつく動作も含みます)
- 膝関節の疾患(靭帯・半月板損傷や変形性膝関節症など)により2次的にかかる負担
などが考えられます。その結果・・
-
線維化すると・・
固くなりますから膝の曲伸の際におさらや大腿骨など骨の動きが悪くなります。
-
結合組織が増殖すると・・
腫れて関節の隙間に入り込んで膝の動きを邪魔します。
-
血管・神経が増殖すると・・
小さな外力に更に反応しやすくなり、腫れやすく痛みに敏感になります。
以上は体を治そうとする反応でもあるので一概に悪いとは言えませんが、結果として痛みにつながってしまっています。
ホッファ病の治し方
-
原因となる外力を取り除きます。
つまり安静であったり、減量であったり、膝を床につかないように・・だったりです。
-
消炎鎮痛をはかります。
おうちでならエヌセイズ等の湿布をはる。
当院でなら超音波・複合電気治療・マイクロ波・マッサージなど -
ある程度腫れが落ち着いたらリハビリをします。
具体的には腫れて固くなった脂肪体を緩めます。
おうちでやるなら膝を伸ばして力を抜き、手でおさらを上下左右に動かします。
おさらを介してその下の脂肪体を揺らしてあげるイメージです。
まとめ
Hoffa病=膝蓋下脂肪体炎は・・
- 初期は痛みなどの症状がなく気が付いた時は症状が進んでいることが多いです。
- 腫れるだけにとどまらず、線維化・神経の増殖などにより腫れた脂肪体そのものが痛みを伴うため、症状が進んでいると日常生活や仕事などに支障をきたします。
- 腫れて固くなった脂肪体は放置してもなかなか柔らかくなりません。
- 安静、また消炎鎮痛で痛みが取れてきたらリハビリをしましょう
- 浅い層は直接ほぐしたり、おさらを動かして柔らかくします。
- 深い層は専門の手技や超音波治療器を使い散らします。
おさらの下あたりの腫れや痛みでお悩みの方は参考にしてみてください。
電話での問い合わせにもお答えします。『ブログを見た』と伝えてください。
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