膝の関節の痛みと混同しやすい、鵞足包(がそく・ほう)の痛み。

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こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。一般的にはあまり馴染みのない鵞足炎(がそくえん)についての説明です。位置的に膝に近いため関節の痛みと混同しがちですが、筋肉の付け根の病変です。
今回も絵を中心にザックリと説明します。患者様説明補足用ですが、膝内側の痛みがなかなか取れないという方は参考にしてみてください。

《鵞足(がそく)とは》

脛骨(けいこつ)というスネの前内側部にあり、縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はくきん)・半腱様筋(はんけんようきん)の3つの筋腱付着部の総称です。膝の内側側副靭帯に近接しているためこの場所が痛い場合は靭帯損傷と鑑別が必要です。
また骨・筋・靭帯がお互いに摩擦するのを防ぐための滑液包(鵞足包・がそくほう)を有しています。

《後ろから見た鵞足の走行》

《鵞足炎(がそくえん)とは 》

  • スポーツなどのストレスにより、上記の3つの筋肉の付着部の炎症、あるいは滑液包の炎症を生じた場合、これを鵞足炎、鵞足包炎(がそくほうえん)と呼びます。
  • スポーツ障害として扱われる事が多い鵞足炎ですが、実際には変形性膝関節症を有する高齢の方、40代以降の運動不足の方に多く見られます。

《症状》

  • 歩行程度では痛くなくても走行・跳躍系の運動の際に膝内側の少し下あたりの痛みがあります。
  • 同部位をピンポイントで触ると押した痛みがあります。
  • 高齢の方の場合、慢性化しているケースが多く、立位・歩行のみで痛む場合もあります。

《鵞足を構成する3つの筋肉の役割》

  • 縫工筋・薄筋・半腱様筋に共通する主な作用は膝を曲げる事ですが、それ以外にスネを内側にひねる動作(下腿内旋)があります。
  • これは運動で踏み込み動作をした場合、スネが外側に捻じれすぎるのを防ぐストッパーとしての役割があります。
  • ラン・ジャンプ系の運動では踏み込みで鵞足を引っ張る大きな力が加わるため炎症を起こしやすくなります。
  • また、運動不足などでこれらの膝関節をまたいでいる筋が固く縮んでいる場合、変形性膝関節症や半月板の痛みを助長する事があります。

《前方から見た鵞足の走行》

《鵞足包の位置》

鵞足部の筋肉と骨の隙間には摩擦を低減するための滑液包があります。しかし筋肉が過緊張したり、負荷が大きすぎたりすると滑液包自体に炎症を起こしてしまいます。これは鵞足包炎と呼ばれています。

《治し方》

①鵞足包部分の炎症と痛みをとる。

  • 当院では超音波や複合電気治療器に加えマッサージを行います。
  • スポーツによるストレスが大きい場合は、練習量の調整が必要です。

②筋肉を柔らかくする。

  • マッサージ・ストレッチで鵞足を構成する上記3つの筋肉をゆるめ、鵞足部にかかる張力を緩めます。
  • 大腿二頭筋(大腿二頭筋)や腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)などの緊張が強い場合はスネが外向きにねじれやすくなり、結果として鵞足に張力がかかってしまうため、これらの筋肉も固ければ緩めるためのマッサージ、ストレッチを行います。

膝の痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください。
tel 048-788-3418
さいたま市大宮区大成町3-515
ガスト大成店のとなりです。

  • 2018 06.13
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