こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
年をとると背中が丸くなってきます。原因は椎体の骨折なども含め、様々ですが椎間板の老化によっても起こります。今回のブログは椎間板がつぶれてから、特徴的な姿勢になるまでの機序をわかりやすく説明したいと思います。
だれにでも起こっている椎間板変性により、椎間板がつぶれると背骨全体が前方に傾く現象については、前回のブログでご紹介したとおりです。
50代、60代までは背筋を使って補正するので、目立つ症状としては背部のこわばりがおもになります。
さらに高齢になり、背筋のみで補正する限界を超えた場合、どのように姿勢を保とうとするのか説明します。
①背骨全体が前に傾斜する
冒頭の画像の前傾モデルを自身で再現しました。骨盤は前傾させずに腰椎だけを前屈させようと努力しています・・・見た目よりくるしい・・。
上の状態で楽になるためには、カートなどにつかまり上半身を支えなければなりません。
しかし、普通は物につかまらずに何とかしようとします。
背筋が使えない場合、何とかしようとすると以下のようになります 。
②股関節を反らして、背骨全体を起こす
前傾した背骨の画像を、画像修正で回転させてみました。
後ろに25°+傾けると背筋が直立します。
ちょっと大袈裟にやってみた図が下です。
④バランスをとるため頭を前方に出す
上の状態ではかなり苦しい事になっています。ここから腰回り以外の部位で代償した状態が以下になります。
7-8キロある頭を重心の取りやすい前方にもっていきます。
⑤股関節の負荷を減らすために、膝を曲げる
股関節をこれ以上反らすのは厳しいので、膝関節を曲げて代償した図が下になります。
これでかなり楽になります。しかしこの姿勢だと頭~首~背中をつなぐ筋肉が異常に緊張します。
上の姿勢では、胸部の前かがみと前方に位置した頭の重さで、胸椎の椎間板がつぶれていきます。そのまま円背が進むと脊柱後湾症と呼ばれる状態になります。
屈曲状態の膝に重さがかかる事で膝の障害が出やすくなります。
《まとめ》
椎間板変性による変形で 辛そうに見えても、じっさいは痛みもなく生活動作に不自由していない方もいます。その場合は椎間板変性に適応した結果 とも言えます。
しかし、 長年多数の患者様を見てきた私の経験から、 変形し落ち着くまでに様々な痛みが伴う事が多いです。
痛みのあるなしにかかわらず 常日頃 から椎間板のケアを意識することが将来の健康寿命を延ばす事につながります。
円背が気になり始めた方や背部、首のキツさでお困りの方はお気軽にご相談ください。
さいたま市大宮区大成町3-515岡部ビル1階
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