こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
今回のブログは、3歳くらいまでのお子さんに多い、肘の亜脱臼についてです。
小さなお子さんの手を引いた瞬間、手をダランと下げ、ギャン泣き!
みなさんびっくりして「肩を脱臼させてしまったのではないか」と心配して来院されます。
でも、「手を引いた」という キッカケが ハッキリしているなら大丈夫です。
いざという時にパニックにならないためにも、肘内障(ちゅうないしょう)について知っておいてください。
小児肘内障(しょうに・ちゅうないしょう)とは
《症状》
・子供の手を引いた瞬間、あるいは子供が何かにぶら下がった瞬間に発生。ココが一番大事なポイントになります。
・泣いて痛がるが、どこを痛がっているのか分かりづらい。
・手のひらを下に向け、肘から上に挙げようとしない。
・肘を曲げようとしない。
・腫れ、内出血などの変化はほとんどない。
《どういう状態?》
肘から先の前腕には骨が2本入ってます。
内側に腕をひねった格好(前腕回内位)で引っ張ることにより、橈骨(とうこつ)を抑えている輪状靭帯(りんじょうじんたい)から骨の頭部分が抜けかかった状態です。
※亜脱臼を繰り返すと輪状靭帯が損傷して切れている場合もあります。
「乱暴に引っ張ってしまった」と後悔なさる親御さんもいますが、骨が未発達ゆえの、アクシデントなので気にしすぎないでください。
《対処》
なるべく早く、医療機関につれていってください。
手遅れ等の心配はありませんが、亜脱臼が整復されるまで痛みが続き、時間の経過で筋緊張が増すため整復が難しくなる時があります。
(当院院長は整形外科勤務時、100例をゆうに超える治療経験があります。お近くの方は当院にお任せください。)
整復自体はほんの10秒程度で完了します。整復後、しばらく遊ばせながら様子を見て、肩より高く手を上に挙げられたら大丈夫です。
ただし、一度亜脱臼を起こすと「反復性」といって繰り返すお子さんも多いので手を引く際は注意が必要です。
《とても大事な事》
痛みのきっかけがとても大事です。
原因が「ぶら下がった」「引っ張った」限定の場合はそれほど心配ありませんが、「転んで手を着いた」「肘から落ちた」などの場合、骨折の可能性があります。 その際は速やかに整形外科を受診し、レントゲンで確認してもらいます。
《まとめ》
- 肘内障は、1~3歳のお子様の手を引いた際に起こる事が多い。
- 5歳以上では、ほとんど見られない障害なので別の可能性を考える。
- 一度はずれると繰り返しやすい。
- 「手を着いて転んだ」「高い所から落下した」場合は肘内障ではなく、骨折を疑う。早急にレントゲンで確認する。
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