こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
上の画像は、正常腰椎と脊柱管狭窄症のCT画像を比べた物。脊柱管狭窄症がどのような病変で起こるのか。病変自体がなぜ起こるのか。なるべくわかりやすく説明したいと思います。
サマリー(概要)
・腰痛、足の神経痛、しびれの原因のひとつに脊柱管狭窄症がある
・脊柱管狭窄症の原因として①関節の変形②黄色靭帯の肥厚がある(その他の原因、椎体の変形・椎間板の膨隆についてはコチラ)
・関節の変形、黄色靭帯の肥厚の原因として椎間板変性(劣化)がある
・脊柱管狭窄症とは原因ではなく、椎間板変性の結果である
・詳しくは以下
《病変その1》関節の変形
図の⇧の部分が、腰椎の関節です。Bは骨の隙間がなくぶつかり、骨が変形し大きくなります。変形した骨が脊髄の通り道を狭くします。
(CTには本来軟部組織は写りませんが、黄色靭帯が石灰化してうっすら写っています。)
【では関節が変形する原因とは何でしょうか?】
通常、関節の隙間は椎間板によって支えられています。椎間板が劣化しつぶれると関節が狭くなり変形を始めます。
《病変その2》靭帯の肥厚
今度は、同部位のMRI画像を見てみます。
ピンクの枠で囲った、三角に見える部分が脊髄の通り道(脊柱管)です。
厚く変化した黄色靭帯が脊柱管をせまくし、脊髄を圧迫しています。
黄色靭帯(おうしょく・じんたい)とは以下の図の部分にあります。
【では、黄色靭帯が肥厚する原因とは何でしょうか。】
徳島大学
腰部脊柱管狭窄症の原因となる黄色靭帯肥厚のメカニズムの解明を行っている。 メカニカルストレスなどにより主に背側に傷害を生じ、異常な膠原線維が増生、線維化が進行し、肥厚につながることが示唆された。
脊椎外科ジャーナル
椎間関節や黄色靭帯が肥厚する原因は,変形性頸椎症と同じく,椎間板の水分の減少により椎間板腔が不安定になり,それを補強するために発生したと考えられています.
【つまり・・】
以下のような説明になります。
①椎間板が圧を受けてつぶれ、中心の髄核が外に向かう。
②その際、線維輪が破壊され水平に亀裂が入った椎間板は支持性が弱くなる
③ 腰椎は傾斜と上半身の重さを受け前後にゆれる。
④腰椎とともに黄色靭帯もゆれ、その刺激により肥厚する。
《まとめ》
脊柱管狭窄症の病態は明らかになってきています。
原因である椎体や関節の変形・靭帯の肥厚・椎間板の膨隆などの病変は一般的には老化と言われていますが、原因を丁寧にたどると椎間板変性がスタートである事がわかります。治療はもちろん大切ですが、30代以降の椎間板ケアが将来にわたって皆さんの腰痛を解決するカギであると当院は考えています。腰に不安を感じる方は、お気軽にご相談ください。
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