目次
かんけつせい・はこう(間欠性跛行)
「立っていたり、歩いているとだんだん足にしびれや痛みが出てくる。」このような症状をかんけつせい・はこう(間欠性跛行)といいます。
症状が強いと痛みで立っていられなくなりますが、しゃがみこんでしばらくすると痛みがなくなりまた歩けるようになります。
これを繰り返しますが、筋肉痛ではない証拠に、自転車に乗っていても足は痛くなりません。
症状を起こす原因の代表格が腰部脊柱管狭窄症です。
※血管の問題で同じような症状が出る場合があるため鑑別が必要です。(閉塞性動脈硬化症など)
せきちゅうかん(脊柱管)
脳から下に向かう神経は丈夫な「くも膜・硬膜」につつまれ、さらに周りを背骨が取り囲んで守っています。その神経の通り道(脊柱管といいます)が狭くなって、神経を圧迫すると色んな症状がでてきます。
これを腰部脊柱管狭窄症(ようぶ・せきちゅうかん・きょうさくしょう)と呼びます。
※間欠性跛行以外には、腰痛・起立時以外の坐骨神経痛があげられます。
会陰部の知覚異常・尿が出にくいなどの馬尾障害が強い場合は手術適応になります。
脊柱管狭窄が起こる原因
①関節、靭帯の肥厚
椎間関節が変形し、靭帯が厚くなり後方から前方にむかって脊髄を圧迫します。
なぜ関節、靭帯が肥厚するのかについては以下の記事を参考にしてください。
②腰椎・椎間板の変形
椎間板のふくらみ、それにともなう椎体の変形が前方から後方にむかって脊髄を圧迫します。
このような変化は単に「老化」といわれる事が多いのですが、もう少し詳しくしくみを見てみましょう。今回は腰椎・椎間板の変形がおこる過程を説明します。(関節・靭帯の肥厚の過程はまた別の機会に説明します。)
腰椎・椎間板が変形するしくみ
①不良姿勢や体重の増加など椎間板に長時間負荷がかかると椎間板がつぶれる。
②つぶれた椎間板が横に広がり靭帯を伸ばす。
③伸びた靭帯が椎体をひっぱる。
④引っ張られた椎体の一部が広がり骨棘(こつきょく)を作る。
⑤骨棘・靭帯が神経根や脊髄を圧迫する。
⑥腰部脊柱管狭窄症となる。。
《まとめ》
(脊柱管狭窄症)
椎間板に負担をかけ続けると、将来的に椎体が変形して、神経の通り道を圧迫するようになります。
(間欠性跛行)
神経痛のため、歩き続けるのが困難になります。
神経の圧迫が少ない前かがみ姿勢で歩くようになりますが、逆にさらに椎間板をつぶしてしまう姿勢であるため、結果として椎体の変形と円背が進行してしまいます。
(除圧術)
脊髄への圧迫が強い場合、背骨を開いて脊柱管を広げる手術が必要になります。
(予防と治療)
まずは予防と進行を防ぐことが大切です。椎間板に負担のかかる生活習慣は改善していきましょう。
治療としては、①脊柱管内の圧力を下げるため、 牽引治療器や手技により背骨のストレッチを行います。②圧迫を受けている神経にマイクロ波・干渉波・ホットパック等で血流を促します。
歩いていると足が痛くなってお困りの方はお気軽にご相談ください。