『背骨クイズ』答えあわせ

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こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野太郎です。
20歳以上の大人は誰でも、程度の差はあれ椎間板の劣化が進みます(椎間板変性)。 椎間板内部の劣化の様子は、レントゲンやMRIの通常撮影ではわかりませんが、その手がかりをつかむ事は出来ます。今回はそれについて説明します。(後半、実際の椎間板の解剖標本画像があります。閲覧にご注意ください。)

クイズの答え

図のBの部分。正常な椎間板に比べて、色が黒く抜けていますが、これは何を意味しているのでしょうか。

A:うっすらうつる骨と骨の間に椎間板があり、その中の髄核(水分)が白く映っているのが分かります。
B:本来は白く映る部分が真っ黒です。なんらかの理由で髄核の水分が失われている事が分かります。さらに水色の➔の部分で脊髄が不自然にくびれています。ヘルニアというよりは、つぶれた椎間板が神経を圧迫しているように見えます。

MRIで分かるのはここまでです。より詳しく椎間板内の様子を調べる場合は・・。

椎間板造影(ディスコグラフィ)

椎間板は、通常のレントゲンに映らず、MRIでも上記のように髄核の水分の有無しか確認できません。もし、それ以上詳しく画像診断する場合、椎間板造影という方法を取ります。

椎間板に造影剤を注入している様子

椎間板造影はレントゲンで位置を確かめながら、細い針で造影剤を椎間板内に注入します。患者様の負担が大きいため、椎間板性の痛みが強いと思われるが、通常の画像診断ではわからない場合に行います。

椎間板造影 その1

骨の変形もなく椎間板の厚みも保たれ、一見は健康そうな腰椎の画像。しかし、➔の部分からは椎間板内の傷に沿って造影剤が漏れている様子が分かります。➔の上下の椎間板では造影剤が髄核内に留まっていて、病変が見られません。
ヘルニアがなくても椎間板が激痛を引き起こす仕組みについては以下の記事を参考にしてください。

椎間板造影 その2


こちらの画像でも上ふたつの椎間板は造影剤が髄核内に留まっているのに対し、一番下の椎間板では造影剤が横にもれ広がる様子が分かります。それに合わせたように骨に骨棘(こつきょく)という出っ張りが形成され、これも神経を障害する原因になります。

実際はどうなっているのでしょうか?

解剖サンプル その1

椎間板を前後縦方向にスライスした解剖画像です。
上:中心の髄核、まわりの線維輪ともにキレイに保たれています。
下:髄核が不鮮明でつぶれています。線維輪の構造もくずれています。

解剖サンプル その2

椎間板がくずれていく様子をグレード1~4まで分類、比較した画像です。『椎間板変性とは何か?』が一目でわかります。
私個人の考えでは40歳以降の場合、腰痛がない人でもグレード1を保っている人の方が珍しいと思います。

まとめ

椎間板の内部に関しては、通常のレントゲンやMRIでは病変を見ることができません。その場合、上記の椎間板造影という方法がありますが、レントゲンを当てっぱなしにして針を刺し造影剤を流すため、体への負担が大きくなります。
画像診断にこだわる場合ここまで必要になりますが、理学検査という方法であれば動作で神経組織にストレスをかけ、どこに、どの様な病変があるのか推測する事ができます。
30歳以降の腰痛のほとんどは椎間板の劣化に起因する事はほぼ間違いありません。治療も大切ですが、誰もが壊れる事が前提であれば予防も大切です。
常に腰痛の不安を抱えている方はお気軽にご相談ください。

こちらも参考にしてみてください。

ガスト大成店のとなりです。表に座るガイコツくんが目印です。

  • 2020 02.17
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