こんにちは。大宮ハビリス接骨院の大野です。
以前のブログで要介護のリスクとしてロコモティブシンドロームについてご紹介しました。
ロコモ対策の基本は、筋力トレーニングです。
今回は筋肉・免疫と関わりの深いグルタミンというアミノ酸について書きます。
意外と知らていない筋肉の大事な役割
筋トレで骨格筋を増やす目的は体を支えたり動かすためですが、他にも大事な目的があります。
「リンパ球のエネルギー源=グルタミン」を貯蔵することです。
グルタミンと免疫の関係
- グルタミンはアミノ酸のひとつで、骨格筋にある遊離アミノ酸のうち約6割を占めています。
- リンパ球は白血球の1種で、ウィルスや体内で発生したがん細胞に攻撃を仕掛けて破壊します。
- リンパ球はウィルスやがん細胞に侵された際に活性化し、数を増やします。
- リンパ球の活性化にはグルタミンが必要です。
- 緊急時に必要なグルタミンは筋肉を分解することで大量に供給されます。
ダイエットで留意すること
ダイエットで体重が軽くなれば、膝や股関節などの負担は減ります。
しかし!筋量を落としてはいけません。
筋量を落としてしまうと運動能力が落ちるだけでなく・・
いざ免疫が必要という時にグルタミンが供給できず、病気と闘うリンパ球を増やせません・・・。
実例を挙げると・・
高齢者に多い転倒による大腿骨骨折。
大腿骨骨折手術後に死亡するケースで、最も多い死因は肺炎の合併です。
骨折と肺炎・・あまり関連がなさそうですが、術後を寝た状態で過ごすと誤嚥や感染などで肺炎を起こします。
この時、筋肉量(すなわちグルタミン)が少ないと免疫が活性化せず肺炎が重症化することがあります。
筋力低下により介護リスクの高い人は病気のリスクも高くなります。
てっとり早くサプリメントでグルタミンを蓄えようとしても無駄。
いざという時にグルタミンを投与する事がありますが、あくまでも体が弱った時の対処療法としてです。
食事で摂ったグルタミンをそのまま体内に蓄える事はできません。
グルタミンは消化管粘膜の唯一のエネルギー源でもあるので、食事で摂ったグルタミンは腸のエネルギーとしてほとんど消費され体内に取り込まれません。
- 普通の人が健康目的でグルタミンを飲んでもあまり意味はなさそうです。
- アスリートは別です。激しい運動後の回復に貯蔵されたグルタミンが使われてしまうので適度に摂取してください。
まとめ
結局は適度なロコトレで筋肉を少しづつ増やすのが一番!
グルタミンは体内でいくらでも合成できるので、通常は普通の食事をしているだけでどんどん作られます。
体内で作られたグルタミンという免疫細胞・消化管のエネルギーを筋肉という形で蓄えるのが効率的です。
介護予防だけでなく免疫アップのために適度な運動で筋肉を増やしましょう!
機会があればまた免疫についてまとめてみようと思います。
ガスト大成店のとなりです。現在予約優先制となっております。お電話でお気軽にお問合せ下さい。